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「按」と「摩」の手法と「虚」「実」
実すれば子を瀉せ・虚すれば母を補え
前項の基本事項8では的確な手法として「按」と「摩」を明確な目的を持って使い分け ました。
漢方薬の処方や鍼の打ち方に「瀉法」と「補法」があります。
  「実」の状態を呈しているものを「瀉」して過剰な氣を抑えて正常にする方法、
  反対に「虚」した状態を呈しているものを「摩」して不足している氣を補い正常な   状態に戻す方法として用います。
「実」であるか「虚」であるかは、足の反射区を触ると同時に、問診を行なって症状を分析して判断します。
 その結果、「実」であるか「虚」であるかの判断が出来たら次の公式に依って手法を決めます。
公式1・・・「実」すれば「子」を瀉せ
公式2・・・「虚」すれば「親」を補え
五行の相生・相剋の図を見ながら「土剋水」のA.ケース@を例にして説明します。

 土(脾)の勢いが強すぎるケースですが、@の単純に土(脾)を按で揉むのは単純すぎて効果 は期待が薄いです。
土を抑える力を持つのは相剋関係にある木ですが、木を今より強くしてあげると自然に土の力を抑える結果をもたらしますので、その木を抑える力をもつ金を瀉して弱くします。
その結果、木を抑える力が弱くなり木はより強く土を抑えることになります。
つまり金を按で揉むことが最高の手法となります。
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B.ケース@を例に考えてみましょう。
土が虚弱になったのですが、土の母親は火ですので火を摩で揉んであげれば、自然に土は元に戻ります。
母親が強くなればその子は自然に強くなるというわけです。
相生関係で一つ前の行が「母」です
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東洋医学を勉強する意義は、このように足もみの手法として、的確にどの反射区をどの手法(按か摩か)で揉めば内臓のバランスを素早く元に戻せるか、を身に付けるためにあるのです。
この理論は鍼・灸・あんま・漢方などと全く同じです。
この状態を正常に戻す足もみの手法
 @土(脾)を強くする→土(脾)を摩でもむ
 A土(脾)を強くする→火(心)を摩でもむ
土が異常に低く(弱く)なって洪水を起した(水は通常) 「土虚水侮」  図5
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症状:腎の実証・・腰のだるさ、遺精、咽喉部の乾き・疼痛、頬部の紅潮、両足萎弱、耳聾、(腎陰虚)目眩、耳聾、         耳鳴り、不眠、健忘、多夢、遺精、勃起しやすい、口乾、咽頭痛、潮熱、盗汗、(陰虚陽浮証)
この状態を正常に戻す足もみの手法
 @水(腎)を弱くする→水(腎)を按でもむ
 A水(腎)を弱くする→木(肝)を按でもむ
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水の勢いが強すぎて洪水を起した(土は通常)。「水侮土」 図4
B.相侮の関係=相剋関係の剋される方が剋する力を上回る(反剋)
2.水剋火、3.火剋金、4.金剋木、5.木剋土、
も同様に考えて最上の手法を身に付けてください
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ケースB
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ケースC
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母とは・・
子とは・・
相生関係で一つ後の行が「子」です
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ここまでの東洋医学の理論は理解できましたか?
それでは、実際の足もみの手法に活かしましょう
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足もみの世界では、硬く「実」した反射区には奥に突くように揉む「按」の手法を、力なく柔らか過ぎる反射区には擦るように揉む「摩」の手法を用いることによって正常な状態に戻すものです。
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よくできました
分かりましたか?
例:土の母は火
例:土の子は金