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不正常(不健康)な状態:五行の相乗と相剋
相生・相剋のバランスを欠いた異常な状態は速やかに元に戻さなければいけません。
東洋医学を学ぶのは、実にこの点にあるのです。
「異常な身体を如何にして足もみで解消するのか?」
理論の勉強は如何に実践に生かすかということが問題です。
その生かし方を解説します。
異常な状態には次の5通りあります。
 1.土剋水、2.水剋火、3.火剋金、4.金剋木、5.木剋土
そのうち1.「土剋水」を例にして解説します。
1.「土剋水」(脾と腎)のバランス異常の場合
この程度の土手の高さに
この程度の水量が
丁度バランスがいい。図1
 土手(脾)が異常に高く(強く)なり過ぎている(水量は通常)。・・「土乗水」   図2
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A.相乗の関係=相克関係の剋する方が異常に強くなるか、剋される方が異常に弱くなる。
症状:脾(土)の実証・・腹部張満、腹痛(拒按)、顔色黄、胃?部のつかえ、食少、曖氣、小便黄赤、二便不            利、食欲不振、四肢不温、小便清長、黄疸、頭が重もだるい、小便短黄、渇くが飲まない
水(腎)が異常に低く(弱すぎる)なった(土は通常)「水虚土乗」   図3
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この状態を正常に戻す足もみの手法
 @水(腎)を増やす(強く)する→水(腎)を摩でもむ
 A水(腎)を増やす(強く)する→金(肺)を摩でもむ
症状:腎(水)の虚証・・陽萎、早泄、尿量が多い、遺尿、腰背部のだるさ・疼痛、足や膝の無力、長く立つことができない、顔面蒼白、寒がり、四肢の冷え、息切れ、喘息(動くと症状は憎悪)、呼吸困難、精神不振、自汗、顔色蒼白、心悸、喘逆、顔面部および身体の浮腫、浮腫は下肢が著明、按じると陥凹ができる、腹部張満、大便溏泄、
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しかし、このような状態で常に身体を維持していければいいのですが、往々にして
バランスを崩すものです。その状態を相乗・相侮といいます。
※ 大切なことは、この二つの相反する関係は必要な関係です。
 相生関係だけであれば、成長が成長を呼び、無限に拡大して最後は爆  発してしまいます。
 また、相剋関係だけであれば、抑制を受けて縮小を続けて消滅してい  きます。
 ある程度のほどよい相剋の抑制を受けながら、相生が働くことで順調 な成長がもたらされるわけです。
 この状態が健康な状態です。
木は燃えて火を生じ、火は燃え尽きて灰となり土となり、土は金属を 育て、金属は溶けて水となり、水は木を育てる。
このように次々と成長させるように働くことが相生です。
 
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さて、五臓の配当が決まると、お互いの関係が問題になります。
東洋医学ではバランスを保つことが健康あるために必要なことですので、
これらが順調に平衡を保った状態を相生・相剋という言葉で表しています。
正常(健康)な状態 五行の相生と相剋
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相生
関係
相剋
関係
木は土を耕す鋤となり鍬となり、土は水の流れを堰き止め、水は火を 消し、火は金属を溶かし、金属は木を切る斧となる。
このように次々と成長を抑制するように働く関係が相剋です。 
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バランスの取れた健康な状態
前提
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ケース@
この状態を正常に戻す足もみの手法  
 @土を低く(弱く)くする→土(脾)を按でもむ
 A土を低く(弱く)くする→金(肺)を按で揉む「勝覆」
 B土を低く(弱く)くする→木(肝)を摩でもむ
この3通りの中で、Aの手法が最高の手法です。
この3通りの中で、Aの手法(勝覆)が最高の手法です。
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ケースA
次ページに続く
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