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第49号 07.8月号
              反射学−足療法治療原理の探究

                         中華人体科学重建学会理事長 顏富雄、
                           スタッフ 陳建安、林秉毅、謝昆修                     
一、序論
足健療法は足を刺激する訳ですが、それがどうしてほかの内臓機能に影響するのでしょうか?
足裏の反射区はどうやって発見し、どのように探すのでしょうか?
足裏の反射区と内臓の間は、どのような生理メカニズムによって相関しているのでしょうか?
私たちは、足健療法を行うときに、つまり反射区を刺激するときに、身体はどのような機能・過程によって、どのような伝達経路を通じて、どのような影響が与えられて機能が改善でき、健康な体になっていくのか、あなたはご存知ですか?この問題はとても複雑かつ莫大な未知と疑問を抱えている学問である。今日、私たちは神経学の反射機能を参照しながら、足健法の神秘な生理メカニズムを探って行きたい。
「足健療法」の歴史と起源そして足健療法の科学根拠の研究を振り返ると、私たちはある事実を発見することができる。「足健療法」の治療原理は、「反射学」の原理の上になり立っている。また「反射学」は「神経系統」の研究を基礎としている。「神経系統」のメカニズムは身体をコントロールする神経網の一環である。
この考え方に沿って、われわれは神経系統を礎とし、神経活動の基本的な方式を通じて一般的な「反射」の研究を、足部の刺激に応用して、足への刺激はどのように体のほかの機能に影響し、一連の調整機能を果たしているのかを解明し、それを上手く活用することによって、身体機能を良い方向を導きたいと考えている。
本研究の限界:
最近の神経系統の「反射」に対する研究は、「線性反射」レベルの研究に留まっていることが多い。19世紀30年代Hall.Mの『脊髓の反射機能論』(1833)のなかに、初めて正式に「反射弓」の概念が発表されて、反射弓および反射通路の各関節について詳細に説明された。Sherrington( 1857〜1952)の研究は、脊髄・脳幹反射機能の現代学問の基礎を作り上げた。そして彼は神経細胞の間の接触構造と機能をシナプス(Synapse)と定義した。パブロフ(1849〜1936)はセチェーノフの「大脳反射」の学術思想を継承し、「条件反射」の実験を行い、反射論の研究を脳幹から脳の高級部位−大脳まで発展させた。
しかし、脳が機能するメカニズムは立体的なネットワーク(網絡)である。このネットワークはたくさんの階層があり、中には反射弓も含まれているが、反射弓だけではない。この繁雑な立体ネットワークのなかに、脳は階層を跨った垂直的な情報加工・処理機能を持つと共に、階層ごとの水平的な情報加工・処理機能をも持っている。神経ネットワークの概念に、神経活動の間の往復連結もあれば、脳・神経の階級を超えた連携もある;反射弓内の線型連結もあり、神経細胞の間の旁分泌と自己分泌などの非線型連結もある。これは単に反射の理論だけを用いて研究することができない。
ですから、今回の発表内容は単なるこの分野の開拓として皆さんに紹介して、そして皆さんと一緒により深く、広くこの分野を研究していき、互いに勉強しあってともに進歩していけたらと思います。
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二、足療法の区域反射V.S神経反射学
まず、「反射学」を足部の按摩と混同してはいけません。足部の按摩は足をマッサージすることである。これは反射学と違います。「反射学」は非常に正確な反射点を研究の対象としている。多くの反射学の学者は患部から距離のある反射点を刺激することは効果があると主張している。この理論の基礎は:圧力などで足の皮膚を刺激することは、簡単な反射効果があり、臓器及び身体のほかの部分に効果がある。
われわれは経験や規範などで、「反射学」はどのように機能しているのかを確定することが不可能である。ほかの治療方法と同じように、操作するときに技術的な要素が含まれている。……「反射学」の動力学は人体の各系統:神経系統、筋肉、血液リンパ及びすべての器官とかかわっているからだ。 (注3)
だから、われわれは、足健療法を体全体の機能との間に、簡単な経路フレームワークを作り、研究していく。
                    も く じ 
  巻頭言「腸が高山病に」        ・・1  『親指の付け根の硬さも問題』 ・・・8
  『反射学―足療法治療原理の探究』  ・・2  『五行の配当表A』      ・・・9
  『反射療法によるがん治療研究記録B』 ・5  『幸せな人生への切符』    ・・・11
  夏ばて解消・きゅうり酒      ・・・7  症状別反射区解説「不眠症と睡眠薬」・14